コラムブログ「だが興味は持て」

気が向いたら書く!

「食べられない」に興味を持て

昔から食べ物の好き嫌いが激しい児どもであった筆者であるが

 

幼少期からのアレルギー症状によるものが大きく

食べられない物は食べられないので 責められるいわれは無いとずっと思っていた

 

今でもエビ・カニ等の甲殻類イクラなどの魚卵は食べられない

食べると吐き気や腹痛に苛まれるという比較的軽いアレルギーではあるが避けている

 

ここでややこしい話をひとつ

エビせんべい等の加工品であれば食べられる物もあるという点だ

 

ちょっと前まで生魚が全て食べられなかったのだが サバの塩焼きは大好物であり

しかし貝類は煮ても焼いても食べられないという規則性の難しい嗜好をしていた

 

大学時代にはそんな筆者の無軌道な生き方を逆手にとった

「タケウチは何が食べられないでしょうかゲーム」が催された事もあった

 

「生ガキ」「アウト!」「エビフライ」「アウト!」「サバの味噌煮」「セーフ!」という

難易度の高いあるなしクイズのような問答が捲き起こり そこそこ盛り上がった記憶がある

 

そうして筆者も大人になり 食べられる物も少しずつ増えていった

 

痔の手術で入院した時に お腹に優しい病院食ばかりが献立として出てきて

当時としては嫌っていたメニューばかりだったのだが仕方なく食べてみたら

 

「まぁまぁおいしいな」という流れで今では普通に食べられるようになったもの

ナスやキノコやブロッコリーがそれに該当する

 

安価でお腹いっぱいになるご飯のお供は何かという探究の末に辿り着いた

納豆や海苔の佃煮など 元が嫌いなものだらけだったので無数にある

 

勿論試してみて口に合わなかったものもいっぱいある

 

匂い・風味が性に合わず 今でも好んで食べる事の無いシソやショウガ

見た目がプリンなのに味がしょっぱいから脳が混乱して食べられなくなる茶碗蒸しなど

 

食べ物の嗜好についての話は枚挙にいとまが無く

それら全てをひっくるめて我が人生だと思ってほしいのにである

 

「食わず嫌いじゃないの?食べてみなよ!」って言ってくる奴に

好き嫌いやアレルギーに理解を示そうともしない奴に

こっちは生まれつき肝臓が弱いから飲めないのだと言っているのに酒を奨めてくる奴に

給食に入っていたエビが食えなくてクラスの隅で泣きながら縮こまっていた思い出に

 

ずーっと腹立たしい思いをさせられてきた訳である

 

自分が分からない事に関して 分からない事として放っておく事も優しさである

どうこうして欲しい訳ではない ただ寄り添って欲しいだけの時もあるのだ

 

さて筆者が何故こんなにも 仮想の敵あるいは過去の呪縛を産み出してまで

思いの丈をぶつけようともがいているのか それには理由がある

 

花粉症のシーズンが始まっているのだ

 

もう非花粉症者からの「ヨーグルトが良いらしいよ」「薬は早めに飲んだ方が良いよ」

という言葉は聞き飽きている ただただ優しく接してくれるだけで良いのだ

 

そして世間もしくは会社においては 花粉症患者への「花粉症休暇」や

「花粉症特別手当」を早急に制度として整えて欲しい

 

ポスターには前園真聖を起用して「花粉症、カッコいい」とコピーを添えて欲しい

それがダメなら吉岡里帆に個人的に「カッコいい」と言って欲しい

 

そこまでしてようやく「花粉症でもまぁいいか」と思えるようになる

アレルギーとはそういう物なのだと 読者諸兄理解をして頂きたいのだ

 

そして上記の福利厚生のうち どれをいの一番に実現して欲しいかと尋ねられると

それはやはり吉岡里帆なのである アレルギーとはそういう物なのだ