コラムブログ「だが興味は持て」

毎週土曜日(水曜日)更新

「革命」に興味を持て

まずはタイトルなのだが 「革命」に興味を持て だなんて言われたら

何だか世の中に不満があって国家転覆を図ってるみたいに思われても癪である

 

ただ単にこの頃「革命」というフレーズに縁があって気になっているだけで

世の中に不満はもちろんあるがあくまで言葉の意味に主眼を置いていると思って頂きたい

 

さて何の因果で革命に縁があるとか言っているのかというと

 

先日「MOROHA」というアーティストのライブを観に行ったのだ

 

MOROHAとはMCの「アフロ」とギターの「UK」から成る2人組で

一般的にはヒップホップかロック パンクにジャンルされるユニットだ

 

トラックはギター一本で時に激しく時に流麗なメロディとリズムを刻み

一言一言に意味と重みを込めた ポエトリーや煽動にも似たラップを乗せているのが特長

 

CDや動画サイトで聞く限りでも その言葉は胸の奥に響くものがあるのだが

ましてやライブで生でというとその衝撃は計り知れない 完全に食らってしまった

 

慣用句的に使われる「拍手が鳴りやまない」という言葉に懐疑的な筆者ですら

鳴りやまない拍手というのはこんな光景を言うのだろうな と思ってしまったほど

 

観客も身体を揺らすことなく けれどもかすかに震えているようで

そもそも途中から客席の事など忘れてステージに見入ってしまった 凄まじいライブだった

 

そんなMOROHAの代表曲に「革命」という曲がある

 

歌詞を抜き出して説明でもしたいのだが 歌詞カード全行に赤線を引きたくなるような

全ての言霊がパンチラインになっているので 是非とも各自聴いて頂きたい

 

勿論この日も演奏してくれたのだが 新しい環境に放り込まれ精神的に参っていた

27歳頃の自分を この曲を貪るように聴いていた自分を思い出すようだった

 

当然に曲の価値は色褪せない

しかしその音楽の特性上 聴き手の生き方と精神状態に依るところが大きいのだと思う

 

聞く人によっては「暑苦しい」「説教くさい」と思ってしまうのかもしれない

筆者ですら「今日は聴くのがキツイな」と思ってしまう日がある

 

松本人志が 去年のM-1に出ていたランジャタイを評して

「見る人の精神状態による」と言っていたように

 

(確かに疲れている時に見るランジャタイの漫才は格別面白いと思う)

 

筆者にとっては 人生につまづいた時に聴く それがMOROHAの音楽だったのだ

「今 ライブを観たい」と思ったのもそういう事なのかもしれない

 

話は変わり 今度はプロレスの話題である

 

女子プロレス団体「スターダム」が今アツいのはご存じの通りと思うが

とりわけ「コズミック・エンジェルズ」と「DDM」の抗争は目を引くものがある

 

発端は……というと筆者の追っていない遥か以前の話になるので各々調べてもらうとして

 

コズミック・エンジェルズ(コズエン)のリーダーである「中野たむ」選手と

DDMこと「ドンナ・デル・モンド」のメンバーである「なつぽい」選手を軸にした物語だ

 

スターダム所属以前からの因縁を持つ2人はとにかく反目を続けており

遺恨決着戦として三番勝負を行う事となった というのが前提

 

(プロレス界の遺恨決着戦で決着がついた試しが今までにあったのかどうかはさておき)

 

第一戦の金網デスマッチはその壮絶なしばき合いゆえ語り草になったが

第三戦のユニット対抗マッチにて事件は起きた

 

二戦目までを終えてお互い一勝一敗 三戦目にて決着という触れ込みだった

 

試合終盤 何の因果かリング上には中野たむとなつぽい

そしてDDMのリーダー「ジュリア」選手が残っていた

 

ユニット対抗戦であるため コズエン側はこの時点で1対2という数的不利を負っている

逆にDDMは圧倒的有利 当然のようにたむを囲むなつぽいとジュリア

 

この試合はトップロープを跨いで場外に落ちても失格になるルールを採用しており

エプロンサイド(ロープの外)でジュリアに羽交い絞めにされた中野たむはまさに絶対絶命

 

ここでなつぽいはトラースキックを放つも 中野たむが直前で避けた為誤爆寸前に

 

……と思いきや ジュリアに危うく当たらなかったキックを再度放つなつぽい

言わずもがな味方への攻撃であり必然は全く無い 会場も悲鳴と共に唖然となる

 

覚悟とも悲壮感とも取れる表情を浮かべたなつぽいはひとしきり思いつめたのち

ジュリアに対して決別のジャーマンスープレックスを放ち 両者リングアウト

 

一人リングに残って勝ち名乗りを受ける中野たむですら茫然とする中

堂々とDDMのメンバーに別れを告げ なつぽいはコズエン入りを直訴する

 

その時に中野たむに突きつけた台詞が「一緒に革命を起こそう」というものだった

 

プロレス界において「革命」というフレーズは機を見て象徴的に使われる

一番のそのものズバリは「革命戦士」こと長州力であろう

 

当時のアントニオ猪木藤波辰爾選手に比べて格下の扱いを受けていた長州は

「俺は藤波の噛ませ犬じゃない」という台詞と共に革命を宣言した

 

いわゆる下剋上であり 一般的な革命のイメージというのはこれに近い

トランプ遊びの大富豪における革命もこの意味合いに依っているだろう

 

しかしながら 中野たむ選手・なつぽい選手 共に現在のスターダムの最前線で戦う

傍目にはバリバリのトップランカーに見える存在だ ここに「革命」への違和感がある

 

なつぽいの言う革命の中身を本人は明かしていない

プロレスの持つ行間を読む楽しさでもあるが 分かりにくいと支持を得られなくなる

 

具体的に何をどうしたいかというマニフェストはちょっとは欲しくなってしまう

(『マニフェスト』も女子プロレスにおいては象徴的な言葉であるがこれは別件)

 

ところが である

 

中野たむ選手がある日 Twitter上に連投投稿を行った

彼女のこれまでと 視聴者の知らない心の機微に踏み込んだ内容であった

 

詳しくは各自で確認して頂きたい(こればっかりで申し訳無い)のだが

中野たむ・なつぽい組で挑戦するベルトへの決意表明のような感じ

 

しかしながら強気ではなく それどころか挑戦に対するトラウマすら綴られた

覚悟と悲壮感をも感じさせるような……

 

あくまで筆者の主観であるが DDMを裏切った時のなつぽいの表情にリンクするというか……

 

MOROHAの「革命」には こう綴られている

 

「半径0メートルの世界を変える 革命起こす幕開けの夜」

 

何となく「革命」というものには その時代の体制や環境など

置かれた世界をひっくり返すような感覚を持っていたのだが

 

そうではなく まずは自らを変化させること

その事を「革命」と呼んでいる事に 筆者もやっと気付いたのである

 

そうして変化した自分の姿を見せる事で 周りにも変容をもたらす

それが出来るのがプロレスラーでありアーティストなのだろう

 

音楽やプロレスの持つ熱に中てられっぱなしの筆者も革命かくありたいと願うのだが

 

長々と2800文字以上も描写と説明に使ってしまった

非常に回りくどいこの記事をまずはどうしてやろうか

 

まずはオタク特有の説明過多を何とかしたいと宣言して

革命の道は果てなく遠いと コラムを結ばせて頂く次第