コラムブログ「だが興味は持て」

気が向いたら書く!

「無敵」に興味を持て

時に我々は 力ではどうにも太刀打ちできぬような
大きな障壁にぶつかる事がある


いやそもそも 人というのは無力であるからこそ
障壁に立ち向かう時 あるいはそれ以前に策を講じねばならぬ


その策ですら刃が立たない時
それこそが人の真価であり 深化でもある


力を信じ対抗するか
はたまた退却をするか


いずれにしても 決断を迫られる時は必ずやって来る


今日のブログはそういうお話

 


筆者が言うまでもなく 梅雨である

(この記事は7月頭ごろから長いスパンをかけて書いている事をご了承下さい)


よく日本は「四季があって良い」とされるが
その「四季」に紛れた第五の季節が存在する


それが「梅雨」である


この時点でこいつが「美しき日本の四季」から爪弾きにされた
季節界の名折れであること甚だしいのだが


(そもそも『四季があって良いなあ』と読者諸兄思っているだろうか


筆者は『夏は暑いし冬は寒い 春は眠いし花粉症だ』との理由で
秋だけを季節として認めているのであるが


所詮消去法での選抜であるからして その存在感は薄く

最近は夏が長く冬が長くなったせいで秋が短くなり

 

とみに存在感が薄く それはまるで学生時分の筆者のようであり

 

向こうサイドは望んではおるまいが 秋には全く共感を禁じ得ないのだ

ところで最近ダイアン津田はユースケを西澤としか呼んでいませんが改名が馴染んでいないのですか)

 

 

雨が多くて鬱陶しいどころか 洒落にできない被害も出たりで

 

しかし全く雨の降らないいわゆる「カラ梅雨」になると

今度は稲が育たず 我が農家の実家は困ってしまうという

 

もう全く煮ても焼いても食えない 
それが梅雨 もちろん筆者も苦手な季節である

 

例によって今年の梅雨も長かったのだが
そんな合間を縫って 1日2日ほど晴れ間を見せた日があった


これはチャンスである アタックチャンスである
アタックするチャンスなのだから アタックチャンスなのである


(ところで筆者の実家では アタック25という番組について


『(ビンゴ要素があるから)純然たるクイズ番組ではない』という理由で
アタック25を全然見せてくれない時期があった


とはいえ『比治山本町のクイズ王』と呼ばれた筆者であるからし
一人暮らしを始めてからというもの 勿論アタック25も貪っていた


今は両親も丸くなり 恐らくアタックチャンスへの偏見も潰えたのだろうが


筆者の心には今も『アタック25は純然たるクイズ番組ではない』という
トラウマと呼ぶには矮小すぎる火種がくすぶり続けているのである


ところで最近好きなTV番組をやっている曜日が覚えられないのですがこれは老化現象の一種ですか)

 


何にアタックするかというと 自転車である


コロナの自粛期間もそうであったが
身体を動かさないという事は思いの外ストレスになるもので


筆者の場合は 趣味である散歩と自転車がこの運動に該当する


ただでさえ長雨に暗いニュースで陰々鬱々ソーセージ
ランランハムじゃないなんて気分になっているのに


動かないのに食べる量は変わらない むしろ増える方向性なので
(ストレスを食べる事で解消する方向性なのだ)


ストレスと脂質は溜まり続ける そういう方向性でやっている


そんな中 文字通り一筋の光が差したからには
自転車に乗って ちょっと遠出なんて考えるのは不自然ではあるまい


何しろ久しぶりのライドオンである
何であっても久しぶりというのは気持ちが良いものだ


筆者の好きな桃色作品群に「禁欲」と名の付くものが多いのも
如何に”久しぶり”が気持ち良いものであるかを示しているであろう


(ちなみにであるが筆者も若かりし頃 禁欲に意欲を沸かした事がある

 

思春期が故に 肌の荒れと心の荒れがちょうど比例する年頃であり
どうすれば土偶が有田焼になるかを調べていたところ


『禁欲』がヒットしたのである(Google調べ 当社比)

 

しかしながら 思春期真っ只中の性欲を抑える手立ては

『根性』それしかなく(我が人生調べ 当社比)

 

結局禁欲も肌荒れもどっちつかずな感じでティーンエイジは過ぎていく

 

ところでウィキペディアに寄付をした経験がある人をあなたは見たことがありますか)

 

 

わずかな雨の合間を縫って 自転車に乗って飛び出したのだ

 

久しぶりに切る風の感触が心地よい

やや湿り気を帯びた空気は 高鳴る心臓が全身に送る血の巡りと相まって

 

汗をひとしずくふたしずく 額から重力に任せてこぼしていくのだが

久々となると またこれも良いものなのである

 

とまあ爽やかな御託はここまでで

あるあるというか何というか しばらくすれば雨が降り出してきて

 

それも尋常ではない大雨 こりゃあ観念するしかないかと

履いていたスニーカーを 先ほど古着屋で買ったサンダルに履き替え

 

打ち付ける雨に身を任せて ペダルに足を沿わせたのである

 

 

(ここまで記事を書いたところで もう一つ筆者にとって重要な

『観念せねば』な出来事が起きたので聞いて下さい)

 

 

梅雨も明けた 夏のあっつい一日のこと

 

必要物資及びそんなに必要でない物資を求めて

自転車で駅前まで出たときのことである

 

日曜日とはいえ 世間を覆うどんよりとした雰囲気は健在で

あまり人混みの密でない中を 小走りの筆者が向かう先は

 

帽子をかぶり マスクをして ワイヤレスのイヤホンを耳に携え

駅ビルの なるべく混んでいなさそうな奥の方のトイレである

 

とはいえお腹が痛かった訳ではない

膀胱に圧力はかかっていたが それほど要急でもない

 

しかしながら 自転車に乗るために履いていたレギンス

及び本日のズボン(フロントファスナー無し)が災いして

 

大きい方の便器(男子特有の言い方である)でないと

催しを開催できないという判断に至って だから早足なのである

 

万が一個室(多目的でない方)が埋まっていたら気持ちが焦る

気持ちの焦りは腹痛にすぐ繋がる そういう32年間を過ごしてきた

 

(先月32歳の誕生日を迎えました ありがとうございます

こんなんなんぼあってもいいですからね)

 

そうして見つけた空きの個室

汗で湿ったレギンスに体勢を奪われたりはしたものの

 

無事に催しは閉幕し さて撤収をと思った途端に

 

左のワイヤレスイヤホンが汗で滑り落ち 便器にチェックイン

 

あまりにもスムースな滑空に チャポンの音も鳴り響かず

(名うての飛込みの選手のようである)

 

響いたのは 筆者の「あっ」という声ならぬ声だけである

 

すぐさま救出に向かわねば だがしかし躊躇はある

読者諸兄容易に想像できますよう 眼下に広がるは催し直後の湖である

 

しかしここでイヤホンを見捨てる訳にはいかない

何故だか分かるか?すげー高かったからである

 

時間にして3秒後 個室にて顔色を全て失い佇んでいるのは

濡れたイヤホンと穢れた右腕の処遇について頭を巡らす筆者の姿だ

 

この時筆者の右腕はある意味「無敵」の状態となった

男塾死天王のひとり 影慶が操る毒手拳をイメージしてもらうと分かりやすいだろう

 

(当ブログはプロレスとエロスと『男塾』は成人男子の嗜みとして

特に注釈を入れずに進める方向性でおります 現実に民明書房は無いのですよ)

 

とはいえ 結末として読者諸兄にお伝えしておきたい事が2つだけある

 

イヤホンは念入りに乾かしたら直ったという事と

大きい方の催しはまだ開催していなかったという事だ

 

催しの大小で この話の強度は大きく変わるであろうが

かろうじて小に留まっていたのが 不幸中の幸いであったのだ

 

(この後スタッフが念入りに消毒致しました)

 

(以上 余談終了)

 

 

時間にして数十分後 玄関先にて顔色を全て失い佇んでいるのは

予想を遥かに超えた大雨に打たれ水分含有量が倍になった筆者の姿だ

 

この最中筆者の心持ちはある意味「無敵」状態となった

 

捨てるものは何も無い男による ただ前のみを見据えた姿は

31歳にして「青春のあるべき形」を捉えたと言っても過言では無いと主張したい

 

(この時はまだ筆者は31歳でした)

 

ペダルの回転に身を任せていれば どこにだって行ける

ハチクロの竹本が北海道に辿り着いたシーンをイメージしてもらうと分かりやすいだろう

 

(当ブログはプロレスとエロスと『ハチミツとクローバー』は成人男子の嗜みとして)

 

鬱々とした 更に例年にも増して鬱々とした梅雨の季節であるが

それを心持ちひとつで 前向きにも復元できるのであるなと

 

思った瞬間だった 家に着いてすぐさま浴びたシャワーは気持ちよかった

 

 

という事があったのが 7月頭のことである

 

梅雨は明け 筆者は32歳になり 熱中症がニュースのトレンドになっている現在

時間軸がぶれ過ぎて我ながら把握が出来ていない当記事を読み返してみて

 

読者諸兄にお伝えしておきたい事が2つだけある

 

ブログを書く時は 書きたい事が起きたらすぐに書けという事と

イヤホン事件から帰宅後も すぐにシャワーは浴びたから大丈夫という事だ

 

どれくらい大丈夫かといえば

ファミ通の攻略本くらい大丈夫だとイメージしてもらうと分かりやすいだろう